どこの職場にも、必ず“嫌な人”がいますね。高圧的な上司、揚げ足を取る先輩、機嫌で態度が変わる人、責任を押しつける同僚。
でも、疑問に思いませんか?
なぜ“どこの職場にも”必ず存在するのか?
偶然ではなく、その人の性格の問題だけでもなく、筆者は、そこに 組織の構造 と 文化 が深く関わっていると考察しました。
今回は、この「嫌な人が生まれるメカニズム」を分解していきます。
嫌な人は「個人の問題」ではなく、構造の副産物
筆者は、本当に嫌な人は、存在しないと考えます。
多くの場合、嫌な人は個人の性格だけで成立していません。むしろ、環境がそうさせているケースが大半です。
- 権限だけ強く、責任は曖昧
- 評価がブラックボックス
- 曖昧な指示系統
- 感情で動く文化
- 上下関係が絶対
- 「昔はもっと大変だった」文化の継承
こうした環境では、大声を出す人、支配する人、責任を押しつける人が“生き残りやすい”。
みんな自分を守るために自衛しているからこそ、他人の事は後回し。嫌な人になりたくなくても、そうならざるを得ない状況がそこにある。
権力が嫌な人を育てる
職場には、必ず権力の偏りがあります。
- 上司は評価権を握る
- 情報が上に集まる
- 部下は従属義務がある
この非対称構造の中では、権限を持つ側が“横暴”に見える言動へ傾きやすくなる。普通の人でも、権限 × プレッシャー × 感情 が重なると余裕を失い、言動が荒くなりやすい。
つまり、嫌な人とは“役職が性格を歪ませた人”のことでもある。
無責任な構造が「責任転嫁型の嫌な人」を生む
組織によっては、ミスの責任が曖昧です。
- 誰の仕事か不明
- 決裁者がいない
- 指示が口頭ばかり
- 引き継ぎ資料がない
この環境で起きたミスは、必ず 一番立場の弱い人に押しつけられる。
「俺は言ってない」
「お前が悪い」
「普通は気づくだろ」
という、責任転嫁型の嫌な人が増える。結果的に構造が“責任を押しつける文化”を育てる。
責任の連鎖が嫌な上司をつくる
職場で“嫌な上司”が生まれるのは、個人の性格だけではありません。むしろ、役職が背負う責任の形が、人をその方向へ変えていく側面が強い。
上に立つほど、部下のミス=上司のミスという構造になります。そのため、上司は、自分を守るために部下を強く管理しようとする。
本来であれば冷静にサポートし、環境を整えるのが上司の役割のはずです。
しかし現実には、
- 部下の行動を細かく干渉する
- 責任を回避するために強い言い方になる
- 問題が起きないよう、圧力で動かそうとする
といった、防衛反応としての嫌な上司化が起きる。つまり、嫌な上司とは「権力で荒れる人」ではなく、責任と恐怖で余裕を失った人でもある。
そしてこの構造が連鎖していきます。
上司が追い詰められている
→ 部下にも厳しくなる
→ 部下がストレスに耐える
→ やがて部下も“同じやり方”を身につける
こうして、嫌な上司のコピーが増えていく。性格の問題というより、プレッシャーが人を嫌な側へ押し出してしまう構造の問題だと思います。
嫌な人の裏には、いつも「沈黙する人」がいる
嫌な人が職場に定着する理由の一つに、「指摘する人がいない」「面倒だから放置する」「関わりたくない」があります。
周囲が沈黙せざるを得ない状況が、「嫌な人」をさらに強くする。
決して周囲が悪いという話ではなく、全員が疲れている職場ほど、嫌な人が増えるということ。
疲弊 × 放置 = 嫌な人が常駐する職場。
本当の問題は、あなたではなく環境
「どうして自分ばかり嫌な人に当たるのだろう?」それは性格の問題ではありません。
嫌な人が生き残りやすい温度の職場だっただけ。
- 役割が曖昧
- 責任が不透明
- 評価がブラックボックス
- 情動で動く文化
- 匿名の悪口が横行
- 叱ったもの勝ちの風土
こうした環境では、どんなに優れた人でも消耗し、嫌な人が支配者になりやすい。
小さな防衛線をひいて防ぐ
嫌な人を変えるのは難しい。けれど、自分を守ることはできる。ここでの自衛は、他人を不快にするプロテクトではありません。それをしてしまうと、あなたも嫌な人になる。
- 記録する(トラブル・指示・不当な言動)
- メンタル距離を置く
- 期待しない
- 上司のさらに上に相談できるルートを持つ
- 異動や転職の選択肢を可視化
- 味方を増やす
- ひとりで抱えない
嫌な人への対処は「攻撃すること」ではなく、自分が消耗しないための仕組みをつくることだと思います。
嫌な人がいるのは、偶然ではない
どこの職場にも嫌な人がいるのは、偶然ではありません。性格の問題ではなく、構造がそうさせている。
あなたが悪いわけではない。上司も部下も彼も彼女も悪い人ではない。苦しいなら、その環境だからです。
「今日も仕事だ。嫌だな、あの人に会いたくない。」
しかし、そんな嫌いな上司や同僚でも、もしも出会い方が違っていたら…同じ組織に所属していなかったら…この会社で一緒に仕事をしていなかったら…
友人や恋人になっていたかもしれません。

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